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冷たい情愛
【女性向け 官能小説】

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冷たい情愛Die Sekunde-3-3

それは、褒められているのか…

批判されているのか…


しかし私は、彼女が言う言葉の内容が全く不快ではない。



評価的な発言は、時に相手を不快にするものだが…

彼女は自分の感じたことを口にしつつ、間の置き方や手振りがゆっくりなので、素直に耳を傾けてしまう。




こういうことを自然にこなせる女性は、実は男性的な考え方をするのかもしれない。

彼女は、感情から発言していないように見えるのだ。



母親として、息子の恋人を観察しているというよりは、同じ女性として評価されている気がした。

ずっと母親としてだけ生きてきた女性(私の母親がいい例だ)とは違った一面。




『どこの人なの?いくつなの?仕事は?』と、うちの母親なら質問攻めにするところだろう。

ところが彼女は、息子の恋人として…という視点だけで私を見ていない。



それが酷く不思議な感覚だった。




「あの子、家族の話…紘子さんに話したりするかしら?」


「いえ、それが…。お付き合いがまだ短いからかもしれませんが」


「そうなの?それは意外だったわ。貴方に全部見せてるって感じがしたから」



私からすれば、彼のことをまだまだ何もしらないと思っていたので彼女の言葉が意外だった。


「高校が一緒だったので、もしかしたらそれで…」


「え?」




彼女は、驚いた表情になったが…すぐに穏やかな笑顔に戻り、私に言った。



「そうだったの…なら、その経緯も聞いてるのかしら」


「はい、先ほど初めて聞きました」


「恥ずかしい話なんだけど、思春期の子には複雑だったのよね、きっと」




彼女は、私が知っていること以上のことを話そうとしているようだ。

しかし、さすがに知ってるふりをしてはいけない気がして正直に話した。


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