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冷たい情愛
【女性向け 官能小説】

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冷たい情愛Die Sekunde-3-10

「あの人は、依存するために再婚したんじゃなかったんだ」


自分も、今では義理の父と仲良くやっていること。

義父と母親は、仲良く幸せであること。

そして、自分もそれを良かったと思っていること。




「夫婦というよりは、戦友みたいだよ」


年末年始、自分が実家に帰っても、両親は仕事の話ばかりしているらしい。

おかげで、せっかく里帰りしてもろくに料理も出てこないと彼は文句を言った。




「素敵なご両親じゃない」

私は、おかしくてしかたなかった。

彼の母親が、私の母とあれだけ印象が違う理由が分かる気がした。

私は先日見た、彼の母親が夫の話をする幸せそうな顔を思い出し…それを彼に話した。





「いい歳して、恥ずかしいよなあ」


彼は苦笑いする。


「姉さんは…どっちの子どもなの?」


「ああ、姉は義父の娘だから、血は繋がってないんだ」


「それで、ぐれた義弟を可愛がってくれたということなのか」



私は、なんとなく事情が飲み込めた。




「でも姉からすれば、親の再婚は辛かったかもしれない」


周りの景色は、段々と田舎の風景へと変わっていき…田園地帯が広がる。

このころには、私の運転も落ち着き、彼との会話に集中できていた。

車の窓をあけると、ちょうどいい風が車内に入ってくる。

風の音に遮られ、彼の声が小さく感じて上手く聞き取れない。




「弱い人…だったから」





多分、彼はそう言った気がする。


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