フリースタイル3〜前半〜-7
「実は実香ちゃんにお願いがあってなー」
「お願い?」
あたしはオレンジジュースを一口のんで言った。
「そ。実は次のショウケースで俺のライブなんやけどなぁ、1曲だけ実香ちゃんに一緒に歌ってもらいたいんや」
…………え?
「実香ちゃんがclubで歌うの初めてやって知っとったからな、簡単な曲にしといたし」
…………んん?
「大丈夫。このイベントは身内が多いんや。気楽にしとって」
そこまで言うとヒカルくんはあたしの手からジュースをとり、一口飲んだ。
………ちょっと待って。
「急すぎですよ!今日はライブ見るだけだって言ってたじゃないですか!」
あたしはこれ以上ないってくらい動揺していた。
だっていきなり歌うなんて…
「…ちなみになんの曲ですか?」
ここで知らない曲だったら断れる、あたしはふとそんな事を考えた。
「¨星に願いを¨」
どんだけこの曲に縁があるんだろうか。
あたしはこの曲に運命的なものを感じ、結局歌う事になった。