ある男の話-2
変わるわけない。
あいつらは変わりたくて変わったんだ。
変わりたくても変われない俺とは違う。
そうだ、俺は変われなかったんだ。
「おめでとう」
そう一人で呟いた瞬間に涙が溢れてきた。
そんな中でも明日のバイトをどうしようとか、課題を早く仕上げなきゃとか、そんな考えが端っこにある自分に気づいてさらに泣いた。
みんな、ごめん。
俺は変われませんでした。
メールはまだ返せない。
だけど、いつか返してみせるから。
笑って、おめでとうって言えるようになってみせる。
だから、待っていてくれよ。
ただただ泣いて、明日が早く来てくれることを思って、俺は公園を後にした。