ヒメゴト〜The hall〜-1
オートロックの鍵を開けながら、
背後の気配が不気味で仕方がない麻衣子は、
この後、どういう展開になるか予想も出来ずにいた。
マンションのオートロックが開き、
二人は目の前のエレベーターに乗り込む。
目的階を押した後、しばらくの沈黙の時間が訪れる。恐る恐る陽介の顔を見上げると、
微動だにせずに真っ直ぐ前を向いていた。
恐怖と期待が入り混じった混沌とした思いを感じているのは麻衣子だけで、
至って冷静な陽介が尚更不気味になってきた。
目的階に到着し、部屋の前まで更に沈黙が続く。
(西田クンが何を考えてるのかさっぱりわからないよ…。)
「狭いですけど…。」
部屋の鍵を回し、扉を開き陽介を招き入れる。
何の反応もないまま、陽介は部屋に踏み居る。
麻衣子も後に続き、扉を閉め、鍵をかける。
振り向いてヒールを脱ごうとした途端、
ドン、と壁に押し付けられた。
戸惑って陽介を様子を伺った、瞬間、
急に顎を掴まれ、
ぐい、っと上に向けられ、乱暴に唇を重ねられた。
何が起きたのか理解出来ずに、
荒々しい口付けに反応が取れずにいた。
激しく舌を吸われ、
更にかき回され、
どちらともわからない唾液が口いっぱいに広がり、
麻衣子は必死にもがいた。
驚きと苦しさで瞳を閉じれずに居ると、
陽介と目が合った。
鋭い眼差しに目が離せず、尚もまだ舌をかき回されると、
心の奥がキュンと鳴った気がした。
慌てて瞳を閉じると、
顎を掴んでいた手が離れ、胸を鷲掴みにされる。
痛い筈なのに痛くない。
それは口付けに気を取られているからなのか、
それとも感じてきてしまっているからなのか…。
息苦しい程の口付けが、
快感を得始めた所で急に唇が離れた。
麻衣子は咳き込んだ後、
思い切り空気を吸い込む。
まだ胸は鷲掴みにされたままで、
感触を確かめる様に陽介の指が動く。
乳房全体を激しく揉みしだかれ、
次第に形を露呈してきた乳首の存在に気付かれた。
服の上から、
乳首の尖端を掌でぐりぐりと持て遊ばれ、
麻衣子の口から甘い吐息が漏れる。
陽介はスーツのボタンを邪魔そうに取り、
ブラウスの下から手を差し入れた。
下着をずらし、
的確に乳首を捏ねる。