Rainy day vol.3-4
そして、彼は一回深呼吸をして、私の方に居直り、
「……改めて自己紹介するよ。
比嘉将生です。」
と、言った。
彼のその言葉に私の胸に渦巻いていたモノが、綺麗に晴れていった…。
「……じゃあ、将生クン、約束通りアッサムの茶葉戴ける?」
私の言葉に彼はゆっくりと頷いた。
何で、君がそんなに嬉しそうな顔をするの…?
本当に嬉しいのは、私の方なのに・・・。
約半年後
あの後、私たちは付き合い始め、互いの祖父母を大いに驚かせてしまった。
私は社交界に顔が割れていないし、私の素性はトップシークレットになっているからバレる心配はない。
お互い気ままに付き合っていた。
「…将生、進路どうするの?」
『ん?東大かな?』
「うわ、日本最高峰狙い?」
『イギリス最高峰をスキップして卒業した人間にそんな嫌味言われてもねぇ。
…それに、なるべく近くに居たいじゃん?』
「いや、私はどっちでも。
…あの時、遠恋でも平気なように育て上げたつもりだし。」
『・・・』
私達の関係は遠距離恋愛ではあるが良好だった。
ねぇ、早く大人になって…?
貴方としたいこと、行きたい所がたくさんあるのよ?
電話口で彼をからかいながら微笑んだ。
end