Good Student?-2
でも、俺には分かる。
あいつはサチを励ますためだけに言ったわけじゃない。
あの「好き」は、ただの先輩に対する「好き」ではなかったから。
この考えが正しいのかどうか、確かめる必要がある。
「…なぁ、宇佐美。俺もお前に質問してもいいか?」
職員室から去ろうとした総太に声をかける。総太は不思議そうな顔をして戻ってきた。
「何スか?」
心臓が暴れ始める。
無理もない。でも落ち着け、平静だ平静。
「お前さ、その先輩のこと、好きなの?」
「…先輩には内緒ですからね」
そう言った総太の顔は、赤くなっていた。
──あぁ、決定打。
──その夜。
「サチ…、お前…宇佐美には近付くな」
サチの家に来て早々こんなことを言ったためか、当然だがサチは眉をひそめた。
「はぁ?何よ急に」
「いいから!あいつには金輪際関わるなって!!」
「こないだは『ちゃんと話せ』って言ってたくせに何言ってんのよ。言ってること逆だっつーの」
「うっ…」
サチの言葉にも一理ある。初め総太を避けていたサチに、ちゃんと向き合うよう言ったのは、他でもない俺なのだから。