4つ月のひかり-2
月が沈み、太陽が顔を出そうとする頃、老人の意識は今にも途切れそうになっていた。
あんなに強かった風も、そわそわと優しく吹き、老人の涙で濡れたシャツをを静かに乾かしていった。
「お月さんよ…。行かないでくれよ。私の話をもっと聞いてくれ。笑ってでもいいから…。」
月は老人の願いを無視するように去っていき、代わりに陽の光が老人を照らし出した。
老人はその暖かさに包まれて、静かに眠りについた。
彼が次に目を覚ましたのは、昼の光が差し込みはじめた頃だった。
孤独を嘆いた老人を迎えたのは、昨日までは顔を出していなかった。名も知られぬ花達だった。
老人はゆっくりと体を起こし、大きく息を吸い込んで、丘を下りていった。