2君は誰〜空いてしまった穴-2
「なんでお前の彼女の元気が俺に関係あるんだよ・・・・」
「刹那はわかってないんですよ・・・・・本当に他人の気持ちにも疎いんですから
いいですか優希は本当は刹那が好きだったんですよ!
でも刹那はずっと美晴ちゃんばかりを追いかけているから・・・・」
「なんで優希が俺を好きなんてわかるんだよ。」
「僕が中学校から優希を好きだったからですよ!
いい加減に美晴ちゃんに執着するのは止してください!!
正直かっこ悪いですよ!今の刹那を見たら
絶対美晴ちゃんは刹那を馬鹿にしますよ!ホント恥ずかし・・・・っ」
那美の小さな体が突如として浮き上がり下駄箱に貼り付けになる。
「黙れ・・・・それ以上美晴の名前を俺の前で出すんじゃない・・・・」
那美は体が自然と後ずさりしてしまった・・・・・
刹那の表情は今まで見たことも無い
美晴とわかれてから喧嘩に明け暮れていた刹那とは違う表情・・・・
何か大切なものを失ってしまった
怒り、苦しみ、悲しみの入り混じった表情・・・・・・・
「刹那っ!!何してるの那美を離して死んじゃうよ!!」
優希が刹那の手を掴み引き剥がそうとする。
「優希・・・・退いてて今の刹那にはそんな力ないから・・・・」
刹那の目には涙が溜まり今にでもこぼれてしまいそうになる。
「刹那・・・・・」
刹那は那美の喉から手を離し鞄を持ち校門を出て行った。