冷たい情愛Die Sekunde-2-4
「好きだよ、紘子のこと」
「遠藤…くん?」
彼は、ゆっくりと私に視線を戻した。
「本当に好きなんだ」
嬉しい…けれど、何故か私の感情は騒ぎ出す。
「私も、遠藤くんが大好きだよ」
私は、精一杯の本音を口にする。
「俺が、どんなでも?」
「え?」
どういう意味か私には分からない。
でも、私は彼の…目に見える部分だけを好きな訳ではない。
優しくて、思慮深い彼。
一見冷たく見るが、決してそんなことはない。
「今日は、どんなのがいい?」
「え…どんなのって…」
私は急激な不安に煽られながらも、彼の言葉にゾクッとしてしまう。
付き合ってからの彼との交わりは、愛情ある優しいものになっていた。
それで十分私は満たされていた。
その愛情を与えてくれる彼が…今日は全く違う言葉を吐いている。
「どうしたの?変だよ…遠藤くん…」
緊張してしまう。
彼の暖かい目に見られることに慣れてしまった私には…
彼の今の目と言葉に…どう反応していいのか分からずにいる。