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ねこ♪ネコ♪小猫♪
【学園物 官能小説】

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ねこ♪ネコ♪小猫♪-1

「あっ!ネコ?ワッタシィ〜♪今『クロ−バー』にいるんだけどさぁ。迎えに来てぇ。」
深夜1時過ぎ。もう終電も無い時間帯。完全に夢の世界を漂っていた体を起こしたのは耳障りな着信音とハイテンションな親友、志穂の声だった。
「うぅ〜。わかったぁぁ…。1時間位で行くから…。それまで待っててぇ……。」
まだ覚醒しきれない頭で答えると、今度はキレた様な声が響く。
「はぁ?!1時間?!これから1時間?!何言ってんの?まさか本気じしゃないよね?私に1時間も待てって言うわけ?今すぐ出て!30分で来て!!」
ブチッ。ツーツーツーツー。
まくし立てる様な弾丸トーク。聞いているうちに頭がはっきりした。
言いたい事だけ言って切れた相手に、独り言を言い、出掛ける準備を始める。
「はいはい。ただ今、参ります。」


ジーンズに好きなスポーツブランドのTシャツ、上にコットンのパーカーを羽織る。必要最低限の財布と携帯電話を持ち、車のキーを取りにリビングへ向かった。

「アレッ?」
いつもの場所にキーが無い。
『あぁ〜。そう言えば兄貴今週末『車』使うって言ってたなぁ。』
4つ年上の兄貴は彼女さんと明日から旅行らしく、我が家の唯一まともな車に乗って、彼女さんのお家に前日入りしているのだ。

チラッと右側に視線を移す。
『仕方ない。コレで行くか…。志穂、時間にうるさいし。』
右隣にあるキーを取り、『クローバー』に急ぐ。

深夜の街を車が走り抜ける。時間が時間だけに道は空いており、志穂が言った時間より10分ほど遅れて『クロ−バー』に着いた。

地下へ続く階段を降りてゆくと、目の前に鉄で出来てた無機質な扉が立ち塞がった。扉にある文字は『CLUB CLOVER』。

「ふぅ…。」
軽く息を吐いてから扉を開けると、深夜である事を疑ってしまう程の音とざわつきが耳に入って、思わず眉間にシワを寄せてしまう。

ドアを背に左側の奥を見る。いつもの場所に志穂はいた。アレコレ言い訳を考えながら近づく。
「志穂。お待たせ。」
背を向けた志穂の肩を軽く叩きながら声をかけた。
「遅いぞぉ〜。ネコォ〜。遅いからぁ〜。たぁ〜くさん飲んじゃったじゃないかぁ〜〜。」
志穂は語尾を伸ばし、テーブルに寄り掛かりながら振り返った。
『げっ!出来上がってる!つっうか、あれから40分しか経ってないのに?!』

さっきの会話を思い出しながら、志穂の出来あかりっぷりに驚いていると、志穂の友達が教えてくれた。
「志穂ってば迎えが来るって決まった途端『ネコが来るのが先か、私が酔い潰れるのが先か競争しよっと♪』とか言ってハイペースで飲みまくったのよ。」
『げぇ。そんな事しなくてもいいのにぃ。ただでさえ酒癖悪いんだぞぉ。』
そんな事を考えていたら、早速、志穂の酒癖『絡み上戸』が発動した。

「ネコも飲めぇ!」
据わった目付きで、まだ半分残っているグラスをズイッと差し出して来る。
「いやぁ。まだ一応未成年だからさぁ。」
やんわりと断ると、
「何?私の酒が飲めないのか!」
またグラスをズイッと差し出す。
「ほら。車で来てるしさぁ。」
グラスを挟んで、あーだこーだ言い合いをしていると、とうとう志穂がキレた。
「ネコの癖に!逆らうのかぁ!」
一際大声を出しながら両手を高く上げる。もちろんグラスを持ったままで。
『!!ヤバっ!零れる!』
手を元に戻そうとするより早く、グラスの中身が「カラン」と音を立てて、志穂の後ろにいる人にかかった。


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