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ねこ♪ネコ♪小猫♪
【学園物 官能小説】

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ねこ♪ネコ♪小猫♪-4

「よし!あと少し!」
気合いを入れて志穂を支え、2階の自分のベットまで運ぶ。玄関で少し休んだのにも関わらず、息はすぐ上がり、志穂と一緒にベットになだれ込んだ。途端に精神的疲労と肉体的疲労が身体を襲う。私はそれに抗う事なく志穂の後を着いてゆく様に眠りに就いた。

この時の私は小坂と友達になった事なんて、すっかり忘れてしまっていた。
今までの人生を180度変えてしまう出来事が待っていたというのに。
月曜日。
私は、学食で一番おいしいオムライスを幸せな気分で食べていた。もちろん志穂の奢りで。

「この間はゴメンネ…。」
志穂は明るい茶色に染め上がった綺麗な髪を指先でクルクルじりながら俯いて、目線だけこちらに寄越し、すまなそうに謝る。

一昨日の土曜日、バイトがあった私は、眠っている志穂に置き手紙を残し出掛けた為、志穂と顔を合わせるのはアレ以来だ。

「もう、いいよ。コレ奢ってもらってるし。」
スプーンでトロットロの半熟卵にデミグラスソースをかけて一口食べる。
『んっまぁ。』
「ホント幸せそうな顔して食べるよね。ネコって。」
志穂はほっとしたように微笑んで、おにぎりを頬張った。
志穂の昼食はおにぎりと海藻サラダと緑茶のペットボトル。
なんでも胃の調子がまだおかしいらしい。
『あんなになるまで飲むからだ。』

「でさぁ。私がカクテルかけちゃった人って…。」
話があの時の事に戻る。
「あっ、うん。この大学の人でさぁ。私等の名前も知ってたよ。
確か、小坂…小坂 優人って言ってた。」
小坂の名前が出るやいなや、志穂は大きな目をさらに見開いて、
「えぇぇぇぇ!」
と叫んだ。途端に学食内の視線がこちらに集中する。
志穂は周りの視線に気が付き。アハハって軽く笑いながら視線を投げ掛けている相手にペコペコしてから、真剣な顔をズイッと近付け聞いてくる。
「ねぇ。ホントに小坂 優人なの?」
私はうなづいて
「うん。自分でそう言ってた。」
とオムライスを頬張りながら答えた。『あ〜。美味しい♪』
「だって、あの小坂 優人だよ?
あ〜ショックゥ。小坂が隣のテーブルにいるなんて気が付いてたら、あんなにガブ飲みしなかったのにぃ。」
志穂はちょっと悔しそうしたが、ハッ!としてまた聞いてくる。
「でっ。それからどうなったのよ!」
「カクテルかけた事は気にしなくていいって言ったけど、それじゃ悪いと思ってクリーニング代、出すって言ったんだ。」
志穂は昼食なんて、もう眼中に無い様で、身を乗り出して「うん。うん。」と相槌を打ちながら聞いている。
「でも、お金で解決するなんて嫌だとか言ってさぁ…。仕方ないから、私に出来る事あったら言ってくれって言ったんだ。そしたら…。」
志穂の喉がゴクッと鳴った。
「友達になってくれって。」
そこまで言うと、志穂はテーブルに両手を付けたまま立ち上がり、
「友達ぃぃぃぃ?!」
と、また叫んだ。またしても学食内の視線がこちらに集中するが、志穂は気が付かないらしく、そのまま上体を倒し私に顔を近づけると小声で
「ホントに?」
と聞いてきた。
私は携帯電話を取り出し、アドス画面で小坂を検索すると
「はい。証拠。」
と志穂に手渡した。志穂は携帯画面を食い入るように見つめて「ホントだ。」と呟いて静かに座った。


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