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きらいなところ
【大人 恋愛小説】

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知らないところ-4

「でも、いいんです。言えただけで。絶対言うつもりなかったことだから」

ピュアな心とでも表現しようか、本当に久しぶりに心が洗われた気がする。

「先生……」
「て、職員室で何、告白してるんですかね。教員失格です」
「いえ、いえ」

自分にとってシャレにならないセリフを大真面目に言う先生は本当にいい人だ。
「勤務終わったら、真っ先に電話してあげてくださいね」

白石先生に言われた通り、真っ先に携帯のマナーモートを解除し、彼女に電話をかけている。

まだ発車していない車の中。

やはり夜になると寒い。

「はい」

電話がつながった。
正直電話するのは、怖かった。

何を先に話せばいいのわからず、沈黙が数秒続いた。

これじゃ、イタズラ電話だ。

「先生でしょ……?」

彼女の確信に満ちた声。

今は、まったく相手が誰だかわからない電話がかかるってことは珍しいかもしれない。

「あぁ、こんばんは」
「……こんばんは」
「今、大丈夫か?」
ザワザワとした音が受話器から漏れてくる。

「……ゴメン、今飲み会やってるの。後でかけ直す」
「わかった」

電話を切った後、ため息を一つついて、ハンドルにもたれかかった。

この気持ちを彼女に伝えていいのだろうか?


目を瞑って、考えていた。


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