フリースタイル1-3
「あんまりこういう所来ないから」
あたしは煙草の火を消しながら冷たく答える。
「そぉなんだ〜あ、お酒おごろうか?」
だんだん密着してくる。
ダメだ、こーゆータイプ。
元々人見知りをする性格だ。軽いノリに全然慣れていない。
「実香!待たせてごめんね!」
DJを終えた沙織が戻ってきた。
「っと、あれ?Kyouz?」
あたしの隣の男に沙織が指差す。
知り合い?
「よっ!このコ沙織のゲスト?」
男があたしの髪をなでる。
こーゆー事する所がホント軽い。
「大学の友達。singerだよ」
「へぇ〜、singerなんだぁ。俺ラッパーのKyouZ!」
ラッパーなんだ…
男があたしに握手を求める。
「…実香です」
あたしは手をとって答えた。
「じゃあーん!テキーラタイムー!」
また知らない人登場。
「スネーク!」
沙織とKyouZさんが同時に言った。
どうやら知らないのはあたしだけらしい。
スネークと呼ばれたその人はあたし達に順番にお酒を配っていく。
「お疲れー!!」
誰かがそう言ったと同時にみんな一斉にお酒を飲む。
あたしも慌てて口に運ぶ。
と、同時にすごい喉があつくなった。