可愛い後輩-4
私に関わって総太までもが浮いてしまうのが。
そうなってしまった原因である私を彼が嫌いになってしまうのが。
私はいつまでも彼が好きな『先輩』でいたかったのだ。彼に失望されたくない。
だから、彼と離れようとした。
でも、彼はそれを望んではいなかった。
「先輩、俺がそんなことで先輩を嫌いになるわけないっしょ?俺は先輩のこと好きだもん。いつだって先輩の味方だからさっ」
あぁ、またそうやって屈託のない笑顔を私に見せる。
「…ありがとっ…」
「あっ、ちょっ、先輩、泣かないでよっ」
泣き出した私に慌てる総太。
本当、可愛い後輩。
「サチ…、お前…宇佐美には近付くな」
「はぁ?何よ急に」
「いいから!あいつには金輪際関わるなって!!」
「こないだは『ちゃんと話せ』って言ってたくせに何言ってんのよ。言ってること逆だっつーの」
「うっ…。…とにかく、頼むからあいつにだけは必要以上に近付くなよ!」
「無理だって。だって総太、吹部に入ったし」
「…マジかよ…!!」
ナオの様子がおかしいことに疑問を抱きつつ、私は新しい仲間ができたことに胸を弾ませていた。
これから、楽しくなりそうだ。