甘いところ-2
「………」
だか、私の話に反応がない。
「聞いてた?」
キミはマイペースだ。
コーヒーを半分まで飲んでから考え始めた。
「えっと、瑞希だね……瑞希」
「柳川瑞希」
「柳川瑞希か、柳川瑞希」
今なら、何でも私が言ったこと繰り返して言いそうだ。
「もう。覚えてるでしょ?よく高校時代遊んだじゃない」
「あぁ……」
「あぁって、忘れた?」
「ん、ちょっと待って」
瑞希のこと忘れるはずかない。
私の知ってるキミならば。
ま、何ヶ月もたてば忘れてもしかたないか。
「そういえば、私も会うのは、何ヶ月ぶりだったかな……」
またコーヒーを一口飲む。
キミは記憶をたどっていたらしく、ようやく見つけたのか、ハッとした顔をする。
「あ!あの甘いもの好きな人だ。瑞希さんね。思い出した、思い出した。そっか。元気だった?」
良かった。
瑞希の甘いもの好きはよほど印象に残るみたいだ。
私は嬉しくなった。
「ん、何か新しい恋見つけたみたいよ」
本当は、瑞希との会話を一問一答話したいけれど、そうもいかず、簡潔に話す。
「そっか、それは良かった」
キミは安心したように笑う。
本当は、そこでこの会話は終わらせたい。
手が震えてきた。
「祐介のことは忘れてきてるだって」
この名前を言うのに私はひどく労力をつかう。
「………」
キミは祐介という言葉に反応したのか、飲む手を休め私をジッとみていた。
そして、冷静に私に言う。