約束…2-9
「ね、松本さん」
真鍋は振り返ってあたしの方を見ると微笑んで。
あたしはその笑顔に、まるで小さな女の子みたいにドキドキした。
初めて恋をしたみたいな…新鮮さ。
今までもう1年も体を重ねてきたのに。
「もう俺隠すことなんてしないですから。
俺らつき合ってますよね?」
――いじわるな聞き方。
従順であたしに尽くすワンちゃんみたいな真鍋も、そんないじわるな真鍋もすごく好き。
「うん…そうね」
多分今まで真鍋以外に見せたことのないような笑顔で、あたしはそう言った。
真鍋が大好き。
あなたをずっと手放したくないの――
…END…