燃えるよりも萌えよ-4
次の日も、その次の日も、剛太から「帰れない」とメールが来て、1週間後にはメールすら来なくなった。
優里は「気にしない方がいい」と言っていたが、私には彼の行動が理解できた。
私は彼に遊ばれたのだ。
あの時と一緒。
さんざん気のある台詞を言って、陰で笑っていたに違いない。
ポタッ…
そう思ったら、何故か涙が出てきた。
「うっ…、ふぇっ…、うぇっ…」
「ちょっ、真樹!?どうしたの!?」
優里はぎょっとしたようにこっちを見た。
「ほら、泣かないでよー。大したことじゃないって」
「だって、また私、騙されたのかなって、それで…。あの人はそんなこと絶対にないって思ったのに…」
「…真樹さ、もしかして、剛太のこと本気で好きになっちゃった?」
そうだ、私はとっくに彼を好きになっていた。
ただ、認めたくなかったのだ。「私には隼人がいるから」と、自分を騙していた。
だからこそ、剛太に騙されたことが悲しいのだ。
優里はしばらくしてから、「あたしに任せて」と言って教室を出て行った。
──次の日。
私が泣いた昨日の夜、優里から「明日の朝早く来て」とメールが来た。
予感がしていた。
それがどんな結果になるかはまだ分からないけれど。
誰もいない、呼び出した優里さえもいない朝の教室で、私を待っていたのは他でもない、
「真樹…。話があるんだ」
剛太だった。
私は固まった。声が出てこない。代わりに涙が出てくる。