燃えるよりも萌えよ-2
ピロリロリ♪
机の上にあった携帯が鳴る。もちろん『ツンない』の曲だ。
「んー?」
携帯を開くと、友人からのものだった。
『明日ちょっと早めに来てくんない?話したいことがあるのよ(>人<;)』
「…?何だろ、優里のやつ」
優里はこんな私の理解者であり、私の隼人に対する想いを冷めた目で見ていても、最後まで聞いてくれている。
『分かった♪寝坊しないようにするよ(笑)』
そう返事を送って、さっきの興奮が冷めないうちに眠りに落ちた。
──翌日。
「……?」
今、優里に言われた通り早く学校に来た私の前にいるのは、知らない男。
短めに刈った髪に目鼻立ちがはっきりした顔。世間的には格好いい部類に入るのだろうが、三次元の男が嫌いな私には関係ない。
「……優里は?」
「優里はいないよ。俺が優里に頼んだんだ」
独り言のつもりで呟いたのだが、耳がいいのか男が返事をした。
「誰?あんた」
私の冷たい言葉にも男は動じず、それどころか笑顔を浮かべている。
気持ち悪い。
「あっ、俺、5組の田辺剛太って言うんだけど…」
「ふーん」
「あのさ、岩瀬って彼氏いる?」
「いないけど」
「あっ、じゃあさ…」
「俺と付き合ってくれませんか?」
「…はぁ?」
「いや、多分岩瀬は俺のことなんて知らないだろうから、急にこんなこと言われて困るだろ?だからさ、まずは友達として付き合おう?」
「あのさ、私「じゃあ、これからよろしく!!」
私が断ろうとする前に、男は行ってしまった。