Secret Word-6
「ナオ、頼むから家帰ってくんない?あたし眠いんだけど」
そう言って勝手に横になっているナオに言う。
しかし。
「……」
返事がないため、顔を覗き込む。案の定ナオはすでに眠っていた。
人を起こしといて勝手に寝るなよ。
いくら文句を言っても寝てるナオには届くはずもない。仕方なくナオに、さっきまで彼が着ていた上着をかけてやる。
私も寝るかな。
そう思い、再びベッドに向かおうとしたとき。
「サチー…」
背後からの声。起きたのかと思って後ろを見るが、声の主はまだ眠ったままだった。
寝言か。
起こしてしまったのかと思ったため安心した。
すると、ナオはまた寝言を言い始めた。
「サチー…」
はいはい。
「サチー…」
ここにいますよ。
「サチー…、大好きだぞー…」
……。