Secret Word-5
メール受信 佐伯先生
何かと思って見てみると、一言だけのメール。
仲直りしました。
ふいに笑みがこぼれる。
今の俺じゃ彼女を独り占めしたい気持ちでいっぱいで、どうにかなってしまいそうだ。
でも、それでいいんだ。今は「好きだ」なんて恥ずかしくて言えないから、この気持ちが告白する勇気に繋がればいい。
独り占めしたいのなら奪ってしまえ。
愛されたいなら愛を伝えてしまえ。
この黒い感情も胸の痛みも、彼女への愛のかたちに変えていきたい。
「さぁーって、新学期だ」
これからが勝負だ、自分!!
*sideサチ*
「サチー、俺ここで寝てもいいー?」
夜中、急に人の部屋にやって来た幼なじみの台詞に驚いた。
「えっ、明日学校だよ?」
「いいー、ここからそのまま行けばいいしー」
着替えはどうすんのよ。
心の中でナオに突っ込む。けれど、何かおかしい。いつもの彼とは様子が明らかに違う。
もしや。
「…ナオ、酒飲んできたでしょ」
「おー、よく分かったなー」
「……」
全く…。
正直、新学期に向けて早めに寝て、体力をつけようと思った私には、今のナオは迷惑そのものだった。