陽だまりの詩 3-7
「遅かったね」
「すまん、ちょっと話し込んでた」
俺は走ってケーキ屋に入り、美沙と合流した。
「…なんであんなこと言ったんだ?」
美沙はしゃがみ込んで、ショーウィンドウから目を離さない。
「…なあ、美沙」
俺は真面目な声で言った。
すると美沙は渋々と俺を見て、こう言った。
「兄貴だから」
***
二人並んで帰路を歩いている。
美沙の持つ箱の中には、ショートケーキ、チョコレートケーキ、そしてモンブランが入っていた。