reality ability‐第7話‐無意識の中の“真実”‥‥更なる“覚醒(チカラ)”‐-3
‐一方、集神城のある場所‐
織音と零歌がいた。薄暗い場所なのと冷たい所だったので地下と思われる。
「何よ?貴女と話す事は無いわ。」
織音はいつものように喋る。零歌は目を閉じていて聞いているのか解らなかった。口元は笑うように少し開いていた。
「聞いているの?とりあえず、付いてきたけどないなら帰るわよ。」
織音は階段を上がろうとした。が、結界によって防がれた。
「なっ!?」
その様子に零歌は笑うように喋る。
「無理よ。ワタシからは逃れる事が出来るのは“皇”だけよぉ。」
織音は“皇”という部分に過激に反応した。
「なんで?貴女は皇と呼べるのよ!?」
織音は振り返り、凄い威嚇的な表情で言った。
「ワタシは貴女の人格を元に“皇”が創っただけぇ。つまり、ワタシは貴女のコピーって言っても過言じゃないのぉ。」
零歌は織音を笑いながら言った。先ほどから零歌は挑発的な行動や言葉をしているようだ。
「‥‥挑発は乗らないわよ?それを知った私は貴女にはもう興味ないから。」
織音は先ほどの表情を一転、ガラリと変わっていく。真剣な表情の織音は結界に触れた。
「‥‥“解封”。」
織音は禁断詠唱を言った。那奈夜に使った詠唱だった。しかし、結界は解ける事はなかった。
「!?」
織音は驚きを隠せなかった。予想とは違っていたらしい。零歌は依然として笑顔だった。
「無理よ。ねぇ、質問するねぇ。」
「何よ?‥っ!?」
織音は怒った表情で振り返るが、直ぐに驚愕の表情に変わり冷や汗を出すほどの緊迫感に包まれた。
零歌は刹動で織音の後ろに回っていた。皇希の時と同じように抱き締めている。
「離して‥‥!」
織音の表情は不安感で一杯だった。その理由は零歌の威圧感と行動からだった。
「‥‥ねぇ、貴女になっていい?」
零歌はその一言だけ言った。意味が解らなかった。織音も同じく混乱していた。
「何を言っているのよ?意味が解らないわ。」
「‥‥言葉通りよぉ。悪いけど、強制よ。」
零歌の身体から色がある“モノ”が見えた。それは織音の身体に吸い込まれるように吸収されていく。
「うっ!‥‥入って来ないで‥‥抵抗しないのぉ。‥‥やだ。やめて‥‥」
織音は身体をジタバタさせるが、次第に収まっていく。織音の身体は倒れるようになるが零歌‥いや、統神 皇希が支えた。一瞬で元の姿に戻った。