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fantasy ability
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reality ability‐第7話‐無意識の中の“真実”‥‥更なる“覚醒(チカラ)”‐-11

「皇希ほどじゃないわよ?‥‥言いにくいでしょう?」

絢音は笑顔のままで皇希を見た。皇希はチッと舌を鳴らした。どうやら当たったようだ。

「‥‥そこにいる奴ほどじゃない。」

皇希は入り口の方を見ながら言った。入り口の方に誰か居るようだ。

「お前はオレの事を言える事はないと思うが?」

皇希と絢音、織音、凰輝以外は驚きを隠せなかった。入り口の方と皇希を何度も見る。声の主は統神 皇希だ。

「出てこい!」

皇希は素早く片手剣を出して構えた。だが、

「‥‥極武(きょくぶ)・静動輪舞(せいどうりんぶ)‥‥」
「!!!」

皇希の後ろに未来の皇希がもう居た。皇希は反応出来なかった。そして、身体中に傷が徐々に出来始める。同じような片手剣で斬られた。
皇希が未来の皇希に圧倒的な攻撃を受けたことに皆は動揺する。皇希が何も出来ないのは久しぶりに見たが、相手が相手なので予想が出来なかった。

「無神 皇希に宿る血と“天真の統器”よ。“真”なる停を。」

一瞬の隙も無いように未来の皇希は詠唱する。隙の無い詠唱に皇希は悔しそうにした。
普通なら皇希の身体に出来た傷は一瞬で治るが、未来の皇希の詠唱の効果のようで血は流れ出さないが治らなかった。

「くっ!」

皇希は立ち上がれないほどのダメージだった。激痛が身体中を巡るだろう。しかし、可笑しかった。血の色が黒かった。

「‥‥さて、オレの方の“無限の無”が織音に宿っている。“真実”を見せよう。‥‥零歌。」
「‥‥っ!!?」

未来の皇希が言うと織音は苦しむように心臓を掴んだ。そして、一瞬で姿が変わった。

「ふふ。統神 零歌よ。よろしくね♪」

笑顔だった。また舌足らずな口調ではなかった。司樹菜と螺樹が異様に驚く。もちろん、他の者も驚いている。

「オレはコイツだ。間違いない。だが、未来のな。時間逆説とかは起きない。オレもコイツも“絶命(ぜつめい)”からは逃げれないからな。」
「‥‥‥」

皇希は目を逸らし、唇を噛み締めた。未来の皇希は幻想具現化の形を変えた。剣から刃渡り15センチの刀にした。
更にコップのような器を造り出した。未来の皇希はそのコップの上に左腕を持ってきた。そして、軽く斬る。

「オレの血も黒だ。」

コップ内に黒い血が溜まっていく。ある程度溜まると未来の皇希は左腕の傷を直ぐに治した。

「後でコイツに飲ませばオレが唱えた“刻印詠唱”と心身詠唱、時空詠唱が解けるだろう。」

未来の皇希は皇希のすぐ側に置いた。皇希は苦しくも手を伸ばすが未来の皇希が少し離した。


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