『鵺』-6
「…姉さん…欲しいよ……」
伸治は舌での愛撫を止めて立ち上がった。口許は蜜液にまみれていた。
服を一枚づつ脱ぎ捨ていく。
その間、璃美は蜜液を垂らして望むような表情で待った。
一糸纏わぬ姿になった伸治。
彼の陰茎はすでにそそり立ち、剛直と化していた。
後から抱きつき、剛直を花弁に密着させると璃美の方から腰をくねらせて伸治を受け入れた。
「ふあぁぁっ!…ああん…ん」
喘ぎが漏れる。
伸治は確かめるように剛直を挿入させていく。
「…ああ…熱いよ…姉さんの膣内…」
「…はああぁっ!…うんんっ!」
苦悶に眉根を寄せる璃美。
(…やだぁ…勝手に腰が……)
伸治のひと突き毎に身体が反応し、思わず腰がくねる。
「…ハァ、ハァ、姉さん…たまらないよ…掌で包まれたようにキツくて…熱いよ……」
「いやあぁ…ハァ、ハァ…そんな事…言わない…で…ああぁ…」
伸治の責めが激しさを増していく。肉の打つ音と蜜液を掻き回す音が交じり合い、淫靡な重奏を響かせる。
「…もう…来る…来ちゃっ!…ああぁっ!」
指先に震えが走るほど調理台に爪を立てる璃美。快楽のクライマックスを迎えた。
痙攣にも似た璃美の締め付け、そして、熱い蜜液の吹き出しが伸治の剛直を包み込む。
伸治は堪え切れずに、荒い息で口許を歪めた。
「…はああっ!…ああっ!…はぁ…」
熱いほとばしりが幾条もの筋となって璃美の尻を汚すのだった。
「…はぁ……あ…あぁ……」
璃美は力が抜けたように、ズルズルとその場にへたり込んでしまった。
璃美と伸治。この世に2人だけの肉親。
この淫靡なる生活を、今しばらく堪能したいと思う姉弟だった。
ー翌日ー
窓から穏やかな日光が差し込む広い空間に、大勢の息遣いが聞こえる教室。
その一席に座る野澤理沙は、朝から落ち着かない様子で授業を受けていた。
視界に映る伸治の姿。
斜め後からの顔はシャープなアゴのラインが際立って見えた。
ハッと我に返った理沙。
(…何をしてるの…私……)
恥ずかしさに頬を染め、慌てて黒板に集中しようとする。
だが、それもしばらくの間だけで、再び視線の先には伸治が映るのだった。
その時だ。