『鵺』-5
「おかえりなさい。伸治」
にこやかに微笑み掛けたのは、姉の璃美だった。姉弟らしく伸治と似て美しい顔立ち。違いは、大きく濡れたような瞳をしている事だ。
「旨そうな匂いだ。今日は何?」
そう聞いた伸治の顔は嬉しそうで、まるで子供のような笑みを湛えている。
「内緒…ちょっと失敗しちゃった」
「姉さん。それじゃ分かっちゃうよ」
伸治がアゴで指す。璃美のそばには、トマトやバター、生クリーム、そしてドミグラスソースの空缶など、使った食材が置かれたままだった。
「もう…失敗したからって笑わないでよ」
璃美は頬を染めて困った顔を見せた。その表情が実に愛らしく思える伸治。
「姉さん…」
キッチンに立つ姉の腰に手をまわす。璃美は躊躇いの表情を浮かべて伸治の腕に手を添える。
「…ダメよ。夕食の準備しなきゃ」
「このまま煮込むだけだろ?ほっといても大丈夫だよ」
伸治の右手は璃美の巻きスカートをたくし上げ、内腿をなぞっていく。
「…イヤ…夜まで待って…ね…」
「そんなに待てないよ。今、欲しいんだ」
腰を抱く手がカットソーとブラジャーを捲り上げた。
小さく揺れて露になった乳房。
鷲掴みにした掌は次第に力を込めて揉みしだくと、親指の腹で乳首を摘んだ。
「…ダメだったら…いや…」
懇願する璃美。その言葉とは裏腹に、表情は麗艶を増していく。
乳房から手を離す伸治。乱暴にされた乳房は、赤味を帯ていた。
璃美の後に跪くと、下着を剥ぎ取った。踝に掛かるストール。
両手が璃美の尻肉を掴み、左右に広げると姉の秘部が伸治の面前に晒された。
「…ダメよ!そんなとこ…汚いよ…」
璃美は手を伸ばして弟を遮ろうとするが、伸治は秘部に顔を近づけると鼻で呼吸する。
「…姉さんの匂いだ……甘くて、欲しくなる…」
「やめて…そんなこと…」
璃美の秘部からは、わずかに蜜液が垂れている。伸治はさらに顔を近づけると、舌で蜜液を舐めすくった。
「はあぁっ!……あ、ああん!」
快感に身を打ち震わせ、突っ伏した璃美。伸治は弄ぶように蜜液の溢れる花弁の奥へと舌を這わせる。
「ふぅん…んん…うんっ!」
音を立てて蜜液を舐め取る伸治の責めに、璃美はヒザを小刻みに震わせて身体が沈ませた。