ベルガルド〜治癒の儀式〜-6
「お前らもアーレン国の使者だな?」
「そうよ!こんな無礼、トゥーラ様が許さないわ!!」
「ふん。大丈夫さ、お前らにはここでのことを忘れてもらって、記憶を作りかえさせてもらう。一緒に来てもらうぞ。」
「そんなこと言われてついて行くわけないでしょ!」
(カイ様!私少し離れてるから、あいつら倒しちゃって!!)
セシルは小さな声で僕に囁いた。
「……。出来ないよ…。」
「え?」
「1時間くらい、魔術使えないんだってば……」
僕の言葉にセシルは硬直する。
黒装束の男たちはにやにやとした笑いを浮かべたまま、距離を縮め、にじり寄ってきた。
「なんか…マズイことになっちゃったね…」
僕は心の中で、舌打ちした。