アイラブボイス?-2
俺は今でも歌い続けていた。
しょぼくれたバーだったり、オーディションだったり、路上だったりと自慢出来るものじゃねぇがとりあえず、食い繋げるくらいは稼げるようになった。
ん、何でまだ歌い続けるって?
いろいろと知りたいことが出来たんだよ。
あの声になぜ答えたのか?
あの声がなぜ心に響いたのか?
あの声をもう一度聞きたいのはなぜなのか?
まぁ本気はな、答えは分かりきってるんだ。
俺は惚れちまったんだ、あの声に――いや、きっとあの人生にな。
それに、ミュージシャン足るものファンの期待は裏切れねぇだろ?