母と私のお話。〜思い出の巻〜-1
皆さんこんにちは。
綾です。
さてさて、人にとっての思い出は、様々なものがあると思います。
楽しい思い出。
嫌な思い出。
頑張った思い出。
辛かった思い出。
きっと、どれも大切な思い出かと思います。
今の自分はそれらの記憶から成り立っているのですから。
ちなみに私の思い出の場合は…多分…きっと…普通なことばかりだと思います。
……普通の思い出がいいな(ToT)
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『母とアルバム2』
首の傷痕と母の意味ありげな話のそらしかたにより、私はとりあえず不安と動揺を持ちました。
あのあと何があったのか?
それだけが胸に引っ掛かります。
手がかりはこの写真だけ。
にこやかな母と私。
敵意むき出しの犬。
――キラン
私は某名探偵の如く閃きました。
…擬音が可笑しいとかは言わないで下さい。これが私の精一杯の表現です。
ちなみに誰かを眠らせたり、サッカーボールで人を気絶させたりしません。
犯罪です。
父に聞くことにしました。
「ねぇ、この写真知ってる?」
「ん、ああこれは父さんが撮ったやつだな」
やはり。
内心で自分を褒めてあげる。
母は機械は苦手なので自動シャッターなどの高等テクニックは使えませんし、こういう雑用は父任せです。
「じゃぁ、撮った後になんかなかった?」
父の表情がひきつりました。
それはもう大袈裟に。
「…何もなかったよ」
「…………」
「本当に何もないって」
「…………」
「いや、その本当に――」
「母さんにへそくりの場所言うよ」
「すいません、何かありました」
二十歳にもなった娘にひれ伏す父。
父親を脅す娘。
「…で?何があったん?」
自己嫌悪しつつ問いただすと、父はぽつぽつと語り出しました。