母と私のお話。〜思い出の巻〜-2
ここからの父の話は「仕方がなかった」や「一応止めようとした」など言い訳苦しいものが語りに交ざったので私が要約します。
写真で感じとったように犬はお怒りだった。
「はい、ピーズ」
シャッターがおり、フィルムに焼き付いたと同時に犬はその牙を私に向けました。
母にでなく、私に。
確かに股がってたのは私ですから仕方ないです。しかし、その後母が犬に座ろうとも決して襲うようなことはなかったそうです。
「賢い犬だな」
父の言葉についつい同意してました。
結局、この傷はその時に噛まれたものらしいです。
「だが、その程度の傷で済んだのは奇跡的だぞ。死ぬかと思うほど血が出たからな」
死ぬかと思うほど血がね。
微かに目眩を感じた。
「おぉ、そうだ。その血が出たあやの写真があるんだ。見るか?」
「何で子どもがピンチな時に陽気に写真とってんだ!」
ツッコミに気合いの入ったビンタを父に浴びせ、写真を没収しました。
のたうちまわる父を尻目に没収した写真を見る。
そして、直後に痛感する。
……よく生きてたな、私(°д°;;)
『母とおもちゃ』
幼き私はあるおもちゃにはまっていました。
名前は言いませんが、金髪でロングヘアーの似合う美人の外国人の人形です。
私は毎日、服を着替えさせたり髪をとかしたり、お人形さんに喋りかけたりした記憶があります。
よほどはまっていたと思いますね。
そんな私に母はいつもかまって来ました。
「あやちゃん、今日の服装は何がいいかしら?」
「何でもいいのぉ」
私はお人形さんに夢中でした。
しかし母に挫ける様子はありませんでした。
「あやちゃん、髪型変えてみようかな?もっといじったりしようかしら」
「もぉ、邪魔ぁ」
そんなこんなが何週間か続きました。
いい加減に嫌悪感な子どもの私は作戦に出ました。