夜に芽吹く向日葵-18
「俺が開業したら、お前が手伝う。いつも一緒の夫婦だな」
「何よそれ、気持ち悪い」
「人のプロポーズ、気持ち悪いとは失敬な」
陽を眺めるのは眩しいものだ。
ヒマワリは、いつも陽を見ていて眩しくないのだろうか。
でも…
私よりは…見えていたに違いない。
いろんなものも…人の心も。
せっかく種を蒔いたアパートの庭のヒマワリ…
残念だけど、最後まで世話が出来そうにない。
大家さんに、お願いしよう。
今度は私が、陽に笑顔を向けて生きてゆこう。
引越し…か、妊娠が安定期に入るまでは厳しいかな…
私の太陽になるべき男は、柔らかい表情で海を見ていた。
この私の隣で。
END