明日の目的地-1
次はどこへ行こう?
自分自身に、そう問いかける。目的地などあるはずもないがいつも問いかけている。
だから決まるはずもない。
いつも宛もなく彷徨って、この小さなワゴンの中で暮らし、毎日を生き続けている。
今日は買い出しの日だ。食料が底をついた。
僕はまた車を彷徨わせ、スーパーを探す。
ちょうどここら辺は住宅街。ものの数分でスーパーは見つかった。
駐車場は意外と広い。しかし、昼間だからだろうか、車は全然無く、静かだった。
車を停め、降りてみる。
僕はこの瞬間がたまらなく好きだった。
この土地の全てが見えた気がして。
背伸びをしながら辺りを見回す。
すると今まで気づかなかったが、ここはどうやら盆地の端に位置しているようだ。
スーパーの裏に山が広がり、それがずっと向こう側まで繋がっていて、この盆を形成しているようだ。
その時、僕はふと山を登りたくなった。
何故だろう…?今まで車で旅をしてきたのに。
こんな気分は初めてだった。
スーパーの裏に回ってみると、しっかりとした山道が造られていて、どうやら木造の階段や歩道が頂上まで繋がっているようだ。
僕は階段を登り始めた。
一時間後。ようやく山頂が見えた。
頂上はそれまでの山道とは対照的に開けてていて、人工的に広場にされていた。
山道をずっと歩き続けてクタクタになった僕は、そのままその広場に寝転んだ。