明日の目的地-2
景色が変わった…。
その景色は青。雲一つ無い紺碧の空だった。
こんな景色一度も見たことは無かった。
今までは車の窓越しに沢山の何かを見る旅をしてきた。そして、いろいろな事を見れば答えがわかると思っていた。
だから沢山見た。
有名な画家が手がけた絵画、歴史に名を残す遺跡や建築物、遙か彼方の水平線、田舎町やネオン街。
だけど、そのどれにも似つかない、この青。
そこからは何も思わないし、何も感じない。
唯一、考えたのは、旅の始まり。
きっかけは君から告げられたサヨナラ。
とても受け入れられないことだった。
そして、今。
自分の人生を君にあげようと思っていた僕は
何をすればいいかも解らず、ただ彷徨い続ける毎日。
君の変わり、その答えを探し続けた。
だけど、結局何も見つからない。
当たり前だ。僕は「君の変わり」を探している時点で、まだ君を追い求めてるじゃないか…。
この青のお陰で気づいた。
君にサヨナラを告げなくちゃ。
目的地が決まった。
次へ行こう。