冷たい情愛(番外編)唯一の恋人へ-19
「先生…先生…!!」
「なんだ?」
「智子に頼んでくるから…制服姿最後の記念に…一緒に写真撮ろっ」
彼女は走って仲間を呼びに行く。
その後ろ姿を見ながら、俺は少しの間、泣く時間を得て…
泣いた。
俺は、決して手にすることの出来ない写真に…最愛の人と笑顔で写る。
「うわ〜、先生と2ショットなんて怪しい〜」
「智子のバカ!そんなんじゃないもん!」
なあ…設楽…
頑張るんだぞ…
もう何もしてやれないが…お前は大丈夫だ。
愛していたよ
「気をつけて帰るんだぞ」
「うん…先生、またねっ」
「ああ…またな」
俺は、この三年間、彼女に言い続けた言葉を言った。
またな…と。
今日だけは…嘘になってしまうけれど。
見上げた空は青かった。
二度とないこの空は…
あまりにも綺麗で…青かったんだ。