冷たい情愛(番外編)唯一の恋人へ-17
彼女にはどう伝えよう…
まだ18になったばかりの彼女に…
いや…
言わないほうがいい…
大学に進学すれば…あいつの事だ。
自分を成長させてくれる男を見つけるだろう。
そして今よりもっと楽しい日々が待っているはず。
「先生っ!受かったよ」
彼女は真っ赤なマフラーと紺のコートに身を包み…
またここにやって来た。
「先生…私、先生と同じ大学に行けるんだよ!」
本当に嬉しそうに笑う。
設楽…よかったな…
お前の事だ。大学に行っても…真面目に勉強するだろう。
新しい仲間も出来て…お前を好きだと言ってくれる男が現れて…
そして更にその先に…きっと、お前が望む未来が待ってるはずだ。
その頃にはきっと…
俺のことなんて忘れている…
だろ……?
「先生?ぼ〜っとしてる!!喜んでくれないの?」
設楽は可愛い顔で俺を覗き込む。
「嬉しいに決まってるだろ、俺の後輩になるんだからな」
「えへへ、そしたらまた…勉強教えてね」
何でお前は…そんなに可愛く笑えるんだろう。