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カラスが飛ぶ空
【推理 推理小説】

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からすの飛ぶ空-5

2〜3発目まではビクンと痙攣していたが
今はもう何も起きない。

そして……オレの任務は
達成された。

警視庁、組織犯罪対策課

佐野 正木

私は、今回の組織ぐるみで行われた大規模横領の
提案者兼この事件の謎を明かした刑事

この少年は4年前に
ジャーナリストの父が
殺される瞬間を目撃した。

しかも警察官が父を殺した瞬間、まさに其を目撃した少年だった。

少年はこの事件の真相を知った唯一の人間だった。


少年は3年前、この横領の提案者の1人で当時幹部であった警官を父と同じ…………私達が少年の父を殺したのと同じく顔面をズタズタに切り裂いたのだ。

だが、少年がこの殺害方法を選んでくれて助かった。

お陰で連続猟奇殺人事件とまで言われる様になったのだ。


平成16年の殺人事件
殺害されたのは
遺体が発見された近くの学校に通う男子生徒

と、報道されていたが
実際はその男子生徒の父が殺害されていたのだ。

殺害されたのは少年の父でジャーナリストをしている者だ。

奴はいろいろと嗅ぎ回っていた。

遺体の第一発見者は
次の年に殺害された警官だ。もちろんこれは計画通り。

殺害されたのが少年とする事によって、少年は我々に復讐したくとも表沙汰に出て来れないと言うことだ。

そして、その警官を父と同じ殺害方法で殺す事により
連続猟奇殺人事件と囁かれる様になり

世間も警官が殺された事により、犯人が警察関係者とは思わなくなった。

勿論、少年は何もしなかった分けではない。

独自の情報網で嗅ぎ回っていた。

その情報源こそ居酒屋にいたあの、情報屋。

これも計画通りだった。

平成18年の事件
ここでも殺害されたのは
男子生徒となっているが

これは実際には、誰も死んでいないのだ。

男子生徒を誘拐し、誰も殺さずに捜査費用を横領出来るかのテストだった。

結果は成功だった。
思惑通りに捜査費用を操れた。だが、死体が無いことでいろいろと面倒な事もあったが……

勿論、この少年は生きている。なぜ生かしてあるかは直ぐに分かるだろう。


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