花鳥風月-1
あたし、ゆう。去年やっと、この人って思えるご主人様を見付けました。
メール、電話。ご主人様に調教されるうちに実際に会ってみたいって思うようになって…ついに言っちゃいました。会いたいって。ご主人様は
「そう言ってきてくれると思っていたよ。」
って言ってくれました。まるでご主人様も会いたいと思ってくれていたのかも?って思ってしまう、嬉しい返事。
だけど
ご主人様の仕事が忙しいらしく、あれからメールでのちょっとした日常会話しか、ここのところしていない。いつになったら会えるのかなぁ?
会いたいって言ってみたものの、ご主人様が忙しく仕事している間、色々な考えがあたしの頭の中を横切ってった。ほんとはご主人様は煩わしいと思ってるのかも?携帯だけの繋がりだけで会って大丈夫なのか?とか。間隔があくにつれてだんだん怖くなってきた。
>>こんにちは。今、メール してても大丈夫かな?
ご主人様からメールが届いた。あたしはもちろん、大丈夫ですと、返信する。
>>長い間待たせてすまなか ったね。やっとゆっくり できそうなんだ。今度の 日曜日はあいてるかな?
>>はい。あいてます
>>11時に○○駅で待ち合わ せようか。服装は…下着 は着てこないように
>>わかりました
>>もちろん、スカートでね 。長さはゆうに任せるよ
>>はい。スカートで…
>>日曜日、楽しみに待って るよ
ご主人様が携帯の画面の前で笑っているような気がした。スカートで、長さはあたし次第。でも…下着履くなって。凄くやらしい課題のような気がした。
日曜日がきてしまった。ご主人様に会える。でもほんのちょっと怖い…。あたしの中は色々な感情で渦巻いていた。それと同時に、少し期待していた。
>>着きました
送信。
凄く緊張してきた。送信ボタンを押す指が震えてる。顔も見たことない人…ご主人様にこれから色々……。あたしの想像しているご主人様は優しそうな雰囲気を醸し出してる。もし、想像と真逆だったら?
突然、ポンと肩を叩かれて、びくっとする。スカートの下に何も履いてないことが、誰か見知らぬこの人にバレてしまったのか?と。
「ゆう…さん?」
視界に表れた、肩を叩いてきたであろう人を見る。髪は短髪で清潔感漂う身なり。あまりにも、できすぎた人が表れて、あたしはしばらく呆然としてしまった。
「ゆうさん…ですよね?」
「あっ…はい!ゆうです。」
どれぐらい呆然としていたんだろう?返答に待ちくたびれた目の前の男性が再び問いかけてきた。
「よかった。間違えてしまったのかと思ったよ。」
「すいません。なんかボォっとしちゃって…。」
「スカートの中が…気になるのかな?」
耳元に顔を近づけてきて、放たれたその言葉に、顔が一瞬で赤く染まったのが、自分でもはっきりと自覚できた。