母と私のお話。〜学びの巻〜-1
私の名前は綾。
今年で二十歳になるのだからいい大人だ。
だから我慢だって知ってるし、世間には不条理なことや仕方のないことがあることを私は知っている。
今の私があるのは、特にある1人から沢山教えてもらったからだ。
そう、母さんから。
今日は私の学んだことを皆さんにお話したいと思います。
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『母とアルバム』
思い出の本。
皆さんの家にもアルバムの一冊や二冊はあると思います。
そして例外なく私の家にもありました。
私は二十歳にもなったし久々に昔に浸ろうかなと年寄り臭くアルバムを開き、恐怖を感じる写真を見つけました。
その写真は、母と幼い私と犬が写っていました。
ここまでは良いです。
しかし、例えばその犬が大型犬だったり。
例えば、幼い私が犬に股がり乗ってたり。
例えば、その犬がかなり威嚇というか牙剥き出しにお怒りみたいだったり。
いやな予感、もはや恐怖を感じつつ、私はとりあえず母に聞いてみた。
「覚えてないの?あやちゃんは」
「覚えてないよ、まだ幼かったし」
「じゃぁ、首のとこにある傷で思い出さない?」
首をさすると微かに傷があった。
今まで私はその傷に気が付きませんでした。
驚いている私に
「ん、まぁ、楽しいことは忘れやすく、辛いことは忘れないっていうものだもんね。楽しいなら問題なしよ」
そういうと母は楽しみの昼ドラに熱中し、それ以上話しませんでした。
取り残された感じの私は悪寒と共に理解した。
世の中知らないほうがいいことがある、と…(ΘoΘ;)
『母とせんべい』
私が15才のある日、私が台所におりると母はせんべいを食べていました。
「あら、あやちゃんもせんべい食べる?」
「んー」
あやふやに返事をした私はとりあえず定位置の席に座り、そして、何気なくテーブルにおいてあるものが目につきました。
袋が開いたせんべいです。
悪いことに湿気てるっぽい。