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幼馴染みの定義
【幼馴染 恋愛小説】

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幼馴染みの定義-4

「頭の上にクエスチョンマークが見えるから、もう一度端的に言うけど」

 席に座り直してあたり棒を置き、勝手に話が始まった。

「裸の両親が愛を交わしていたところを見て、" 子供のアイくん "はどういったアクションを起こす?」

 どこか皮肉に聞こえる。

 それよりも、何よりも自分からこんな話を始めた幼馴染みが意外に思えた。

 以前のおれの幼馴染みは、たとえば最近のお笑い番組でよく連発される、子供にはわからないような下ネタが大嫌いだった。

 単語自体を聞けば赤面するほど、純粋だった。

 さらりと言って退ける『今』の幼馴染みを見て、本当に意外だと思った。

「トイレに行って何事もなかったかのように寝る」

 得体のしれないモノを見るような目。 そんな目でおれを見てる気がした。

「混ざりに行くとか、そういう選択は?」

「アホか。 そんなの馬鹿のやることだ」

「馬鹿のアイくんに言われたくない」

「そういう馬鹿な選択肢が思いつくお前に言われたくない」

 ばつが悪そうに口を尖らせるハナ。

「それじゃあアイくんより馬鹿ってことになっちゃうじゃない」

「そういうこと」

 言ってから、違和感を感じた。

「いや、何かおかしいな」

「うん。 封の開いてないアイスが部屋の気温によって溶けているにも関わらず、それに気づかないアイくんがね」

 こればかりは反論できない。 おれの不注意だ。

 しかしその事実はおれがおかしいのであって、『先のハナの発言』の違和感とは違う。

 そして伝えることがあったのに、完璧に言うタイミングを逃してしまった。

「じゃ、コンビニ行こ」

「おれは別にアイスなんかいらないぞ」

「違うよ、アイくんのじゃない」

 と言いつつ、あたり棒を見せてきた。

「もちろん付き合ってくれるんでしょ?」

 その後、色々理由を付けて駄々をこねられて高級アイスを買わされたのは言うまでもない。

 付き合ったのが間違いだった。


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