冷たい情愛12-3
貴方が好き…
「あん…あ…」
決して的確とは言えない彼の指先なのに、段々と私の体は反応する。
好きと思えば思うほど、触れて欲しくなる。
もっと私の体に…もっと奥に…貴方の欲情を発して欲しい。
指の動きは円を描き、上下の摩擦と曲線の摩擦で私は一気に快楽に浸り始める。
「ああ…あ…いい…あん…」
彼は指のいたずらを続けながら、顔を私の耳元に近づける。
「…何が……?」
彼の乱れた息と、低い声が私の耳を犯す。
何がいいって…
それは多分…
貴方が私を想い欲してくれること…
「気持ち…いい…ああ…」
私自身が出す粘液が、性器の外にまで溢れ出す。
それを更に指に絡め、彼は快楽の摩擦を激しくさせる。
思わず私は、彼の首と肩に両手でしがみ付いた。
体を、離したくなかった。彼の声を耳元でずっと聞いていたかった。
快楽も愛情も…彼の全てが欲しかった。
欲しくてたまらなかった。
息を乱し続けながら、彼はそう言った。
「ごめん…今日は…」
切ない声…私を苦しく甘美に浸らせる声。
「我慢できそうに…ないんだ…」
私の大腿に触れる、彼の固くなったそれは…ものすごい熱を帯びている。
過去の冷たかった彼の目は、今の彼の何処にも見つけることが出来ない。
熱く高まりきった…切なそうに嘆く…私の好きな…この人。
自分を欲してくれる男。