辛殻破片『我が甘辛の讃歌』-9
「なんとなくだが、お前の考えてることがわかった」
「…?」
僕よりも早く首を傾げた聖奈さん。 事態が飲み込めてないらしい。
「たとえば…カウンセラーでもいいんだな?」
「…どうだろう。 カウンセラーでも充分なんだけど、ある程度、医学知識がある人と話をしたい…かな」
「じゃあ今すぐ行こうぜ」
「えっ? ど、どこに行くんですか?」
僕よりも早く行く場所を聞いた聖奈さん。 慌てふためいてるってことは、やはり事態を飲み込めていない。
「暫し話は後にしよう。 聖奈さんは留守番を頼む」
「は…はい…?」
透は聖奈さんの返事を都合良く『肯定』と解釈したらしい。
「この格好でいいか。 飯も食べ終わったし」
「だからさ…どこに行くって?」
「姉貴の大学」
「えええっ!」
僕よりも早く、いや、同じタイミングで二人同時に驚いた。