イヴの奇跡U-13
『そんな場所にかけて悪い……。ホラ、見てないで早くふけー!』
ベッドの近くの棚からティッシュ箱を持ってくる神崎。
一応、絶頂を迎える瞬間に腰を引いたのだがイヴが離してくれなかったのだ。
つぅ、と触ると手に纏わり付く白濁色の液体。人差し指と親指で擦るとねっとりと糸を引く。
不思議ー…
みるくみたい…。
…美味しいのかな?
興味本意にイヴはねっとりと指に纏わりつく液体を舌で舐め取った。
『ばっ!!』
イヴの様子を暫く見つめていた神崎が大声をあげた。
『汚いだろっ!』
困惑しながらイヴの腕を掴み、悪戯を止めさせる。
『汚くないよー!!圭だって…私の……そのぅ…』
ごにょごにょと顔を紅くして瞳を逸らすイヴ。
自分の物が汚いと感じても
相手にとってはそうではない。
汚いと感じているならば
その行為は無かったのだから。
『まぁ…言いたいことはわかった、が…!』
―恥ずかしいんだ!
とは、口が裂けても言えそうにない。
『圭?顔…真っ赤だよ?』
自分の紅く染まる頬を両手で隠して、指の隙間から上目がちにイヴは言った。
『お前が照れてるから、貰ったんだっ!』
餓鬼っぽい屁理屈。
そう自分でも思ったが、顔を横に向けて腕で必死に紅く染まる顔を見られまいと隠す神崎。
『圭、全部、愛してる…見た目とか種族とか…関係なく…だから、信じるよ。私は今の圭を信じてるからね。』
不意打ちの告白。
神崎は顔を腕で隠したままだ。
―信じる。
多分、いや、絶対。
元カノ、真菜のこと…
あの時は本気だった女。
真菜が戻りたいと望んだことで俺がイヴを捨ててしまうんじゃないかと不安なはずなのに…。
腕を落としてサファイアブルーがイヴを捕まえる。
『今の俺は、お前しか見えてないからな。』
そう言ってイヴの頬に軽いキスを落とした。