投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

君の足跡
【悲恋 恋愛小説】

君の足跡の最初へ 君の足跡 0 君の足跡 2 君の足跡の最後へ

君の足跡-1

「んじゃ、やっぱり別れた方がいいのかな」「…うん」
「また友達にもどれるといいね」
「そうだね」
こんな感じで私たちは別れた。三週間前のことだ。
今考えればなんで別れたのか、原因ははっきりしない。
ただ、お互いに譲れないところがあって、お互い頑固だったから…。近くにいると見えないものは多い。
あなたは別れるとき、「もう遠分恋愛はいいや」なんて少し笑っていたね。
あなたと離れて始めて、私はあなた色に染まっていることが分かった。私の部屋にある、あなたのもの。あなたに買ってもらった時計、鞄、財布。あなたに影響されて好きになったアーティストのCD。お揃いの携帯。
別れて一週間前たったころ、あなたに借りていたものを返したくて、勇気を出してメールをした。
『借りてた本、いつ返せばいい?』
しばらくして返事がきた。久しぶりの彼の着信音に、少し胸が踊る。
『いそがないからしばらく持ってて』
…もう私と会いたくないからそんなことをいってるのかな…
ネガティブな私が顔を出す。私は『わかった』とだけ打ちメールを送信した。
完全に終わってしまったと感じ、心に穴が空いたようだった。
彼は私に足跡を残したまま遠ざかってゆく。それを負うこともできず、残った足跡を私はたたただ見つめ消すこともできずにいる。
そして…三週間たった今。未だに穴は埋まらず、毎日彼の事を考えている。
消えていくと思っていた思いは、日に日に濃くなる。
ひとりぼっちは自分だけだのように感じて、他の人はキラキラして見える。
あなたが、「まるで俺たちみたいだね」と言った曲。いまでも聞いているよ。昔は笑顔で。今は涙で。
私はあなたの足跡消そうとしてたんじゃなくて、一生懸命見付けて消えないようにしていたんだね。
今でもあなたが好きです。……大好きです。


君の足跡の最初へ 君の足跡 0 君の足跡 2 君の足跡の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前