秋と春か夏か冬 14話〜『秋=アキ=シュウ』〜-1
拓也で怒りを発散したものの、まだまだ収まらない恭介。
横にはグロすぎてモザイクがかけられている死体が1つ…。
すると…
「あ、いた。秋津くーん!廊下に1年生の女子が来てたわよー。中庭の噴水前で待ってるって」
クラスの女子に言われる。
「あぁ?…喧嘩売ってんのか?かかってこいや。いつでも買うぞ?」
怒りの大魔人、恭介は無実の女子を睨みつける。
スパァァン!
どこから出したのか、恭介はハリセンで叩かれた。
「いい加減にしなさい!クラスの女の子は伝えに来てくれただけでしょ。あんたは触れるもの皆傷つける中2の男子か!」
鈴音のおかげで、恭介はやっと冷静になる。
「はっ…そ、そうだな……悪かった。少し行ってくる…ごめんな」
そう言って呼びにきた女子の頭に手を置き、少し微笑みかけて廊下に出る…。
「……ぽっ♪」
女子の目はすでにハートマーク……恐るべし…。
「あいつの天然ジゴロぶりは犯罪ね…」
「そうですね……とりあえず僕たちも様子を見に行きますか」
そう言って恭介のあとを追い掛ける理緒と鈴、夏輝に香織だった。
――中庭
恭介が中庭に行くと、昨日と今朝に会った女の子……亜季がいた。
冷静になった恭介の心に、再び怒りの炎が燃え上がる。
「お待ちしておりました…恭介様…」
「お…おまえは……よくも〜〜〜!」
「お怒りは存じております………申し訳ありませんでした!!」
深く頭を下げる亜季に、恭介の怒りは空回りしてしまう。
そのおかげで正気に戻った。
「はっ……この丁寧な口調、物腰は…昨日の亜季。じゃぁ……今朝のアレは…なんだったんだ?」
わけがわからなくなる恭介。
「それは…この子なんです……ほら、シュウちゃん!出てきて謝りなさい」
そう言って後ろの噴水の方にむかって話しかける亜季…。