秋と春か夏か冬 14話〜『秋=アキ=シュウ』〜-2
「………」
だが、何も出てこない。
「お、おい……いろんな意味で…大丈夫か?」
「す…すみません!あの子ったら……少しお待ちください!」
顔を紅くしながら噴水の裏に行く亜季。
そして…何やら引っ張っている。
「いいから〜!早く来なさいシュウちゃん!……わたくしが恭介様に変な人だと思われてしまいます〜」
「い〜や〜だ〜!俺は悪くない〜!!!うぅ…ち、ちから強いよアキ」
亜季が引っ張っているのは…紛れもなく亜季…。
どうゆうことだ?
やがて、亜季にズルズル引きずられる形で俺の前に現れた2人の亜季…。
「ま…まさか…」
「はい…わたくし…いえ……わたしたちは…双子なんです。こちらは妹のシュウちゃん」
「「「「え〜〜〜〜!!」」」」
近くの木から叫び声が聞こえた…。
「まったく…後をつけてきたことは怒んないから…出てこい」
少し呆れて恭介が言うと、理緒たち4人が出てきた。
「双子か…納得です」
「また女の子を引き付けたか……まったく」
「ひどいよ恭介!僕と言うものがありながら…こんな可愛い2人と密会してるなんて!」
「同じ顔が2人…」
それぞれ言いたいことを言う4人。
「待て待て待て!おそらく1番混乱しているのは俺だ」
そう言って頭の中で整理しはじめる。
つまり…昨日会った亜季は本物で………俺が会った今朝の亜季はシュウって子だったのか…?ってことは俺の勘違いのせい?
「いえ……昨日のうちにお話しなかった…わたくしの不慮です。それにシュウちゃんが騒がなれば、恭介様に危害はありませんでしたわ」
…俺は頭の中で整理していたんだか…こいつも心を読めるヤツか…?
「そんな心を読めるなんて…。恭介様のお考えが、なんとなくわかっただけです♪」
…はい確定…。
「変な漫才してないで話を進めなさいよ」
鈴音がつっこむ。
「そう言えばシュウちゃんの自己紹介がまだですね。ほら…自己紹介は?」
子どもを諭すように話す亜季。