罪〜Revision〜-1
あれは何だったのか。偽りとも現実ともつかない日々。
オレにはひとつ年上の姉がいた。その姉と自身が幼さ故に犯した過ち……
「姉ちゃん。待ってよ!」
「和哉。早くしないとおいてくよ!」
どこの家庭にもある朝の喧騒に混じり、亜紀と和哉の姉弟も中学校へと急ぐ。
先日、入学式を終えて今日が和哉の初登校とあって、亜紀は姉貴ぶって一緒に連れて行くと言うのだ。
「小学校以来だね、和哉と一緒に学校行くのって」
「以来って、1年間だけだろ」
姉弟は他愛のない会話をしながら道を進んでいく。すると和哉の同級生と出くわし目が合った。
途端に和哉は亜紀との距離を置いた。
「和哉?どうしたの」
それを不思議がる亜紀。対して和哉は照れたような顔を姉に向け、
「やっぱ、恥ずかしいよ。姉ちゃんと一緒じゃ…」
〈先に行くよ〉と言うと、和哉は小走りで亜紀から離れて同級生のもとに行ってしまった。そんな弟を眺める亜紀。
〈中学生になって男の子らしくなってきたなぁ〉と嬉しい半面、〈何よ!ちょっと前まで姉ちゃん、姉ちゃんってくっついて来たクセに〉と一抹の寂しさが頭をよぎった。
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「ふぅ、ただいま〜」
夜7時。
亜紀が学校から帰宅すると和哉が出迎えた。
「おかえり姉ちゃん。いつも大変だね」
亜紀は部活を終えて帰って来たのだ。少しバテ気味に見えたのか、和哉の口について出た言葉に姉は笑みを浮かべ、
「好きなコトやってんだから平気よ」
そう言うと玄関口を上がり2階の自室へと駆け上がっていく。和哉の目が姉を追っていく。制服のスカートからしなやかなそうな脚が露出していた。
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