発条式発情鬼-4
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山下賢は依頼人の指定した女の玄関を訪問するのが仕事だ。依頼人の立場が改善されたかにも興味を持つ。子供サッカーをしている公園で待ちあわせた。
「うん。とても優しくなったよ」
ワカナの妹が嬉しそうに言う。
「それは良かった。ところでもう一度玄関に招いてくれないかな」
彼に格好をつけたポリシーはない。ヤレルオンナハヤル、だけで生きている。
「彼氏が出来たし。ごめん」
断られて下がる彼ではない。ゼンマイは巻かれている。女に会うときは準備完了である。
「ぼくこそすまない。依頼があったのだよ。その彼氏に、振られた女から」
笑顔でセーラー服の肩に手をおいた。
了