投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

夕焼けの恋愛模様
【悲恋 恋愛小説】

夕焼けの恋愛模様の最初へ 夕焼けの恋愛模様 2 夕焼けの恋愛模様 4 夕焼けの恋愛模様の最後へ

夕焼けの恋愛模様-3

私は、久しぶりに屋上への階段を登る。
彼女に言われて、行かなくてはならないと感じたから。

でも、本当は私が彼に無性に会いたかったからだった。

でも、どんな風に会えばいいのだろうか。

分からない。

彼は今まで来なかったことを許してくれるだろうか。

分からない。

不安を抱え、屋上のドアの前に立った。

自分の鼓動がうるさい聞こえる。目眩のように平衡感覚が無くなっていく。私は、とても緊張を実感した。

自分に言い聞かせる。

大丈夫。

きっと大丈夫。

絶対に大丈夫。

何もかも大丈夫。

根拠のない言葉を心の中で繰り返す。

汗ばんだ手で、ドアを思いきって開けた。

そこにはいつもの屋上。夕焼けがとても眩しく感じる。

目の前には、彼がいた。


彼はとても驚いた顔をして、初めて会った時のような面白いほどの警戒をした。

私は笑えなかった。
警戒されてることが、なぜか、どうしようもなく悲しかった。

それでも私は話しかけないと、と思い

「今も、ひとりぼっち?」

変な質問が飛び出ていた。また、変な奴に見えただろう。

でも、咄嗟に出ていた。

彼は驚いた顔をしたが、徐々に笑顔になって言った。

「前は独りだったが、今はお前がいる」

私の胸は安心感と嬉しさで一杯になった。
涙が溢れた。なぜか私は泣いていた。

私が泣いたことに驚き、おろおろする彼に言う。

「…ありがとう」

私は彼に伝えた。私の気持ちすべてではなかったが伝えた。

すると、彼はまた、笑ってくれた。

それが、本当に嬉しかった。


夕焼けの恋愛模様の最初へ 夕焼けの恋愛模様 2 夕焼けの恋愛模様 4 夕焼けの恋愛模様の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前