**日曜倶楽部本田家にて**-1
「つまり日和はあたしに何の了承もなしに先輩とデートした訳ね?」
「ぅええっ!??あっ‥いやそういうつもりは…。」
私が言いたいのはそういうことじゃなくて、瀬戸先輩と片桐先輩について聞きたかったんだけど…。
てか、優ちゃんの許可が必要なんだ…。
「当たり前でしょ?日和の彼氏はあたしが認めた男じゃなきゃだめなんだから」
「なっ…心の声が…!??」
「顔に書いてあるわよ。」
意味もなく両手で顔をぴたぴた触ってみる。
実際に書いてあっても触っただけじゃわからないけどさ… てか、書いてあるわけないけどさ…。
今日は毎月第一日曜日に開催される日曜倶楽部なのです。と言っても私と優ちゃんだけでお互いの家を交互に行き来して新商品や季節限定のお菓子を持ち寄って話すだけというもの。
でもこうやってゆっくり学校の話や家の話をするのは一人っ子の私には新鮮で‥って、そうじゃなくて
「優ちゃん、よく聞いて。今から話すことはぜぇぇぇったいに誰にも言わないって約束してくれる?」
優ちゃんが知ったことは全校生徒が知ることになるのと同じくらいの影響があるから油断したら大変。
「わかった。ぜぇぇぇったいに誰にも言わない。」
「あのね‥実は瀬戸先輩と待ち合わせしたときに片桐先輩にあったの。」
「おぉっと!???二大スター夢の共演じゃん!んで?」
「もう、それはそれはすごかったね。眩いばかりの後光が「はい、わかったから続きを話して。」
「えぁ…はい…。それで二人は下の名前で呼び合うくらい仲良しってことが発覚したの!」
「はい、ストップ。昨日その片桐先輩について興味深い、よろしくない噂を耳にしました。」
優ちゃんは綺麗な顔の横にすっと指ののびた手を挙げた。
そして私もそれに習って手を挙げたあとに学校の先生みたいに手を差し出した。
「はい、本田さん。その噂について詳しくお聞かせ願います。」
「実は出張ホストみたいなことをしてるって。放課後デートは五千円、休日デートは一万円。その他オプションでキスは五千円、ディープは七千円、それ以上は五万円で商売してるみたい。主に女子大生やOLを中心に営業してるんだって。」
‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥。
「えっ‥‥?」
放課後デート五千円?
休日デート一万円?
「なにそれ…?」
「実はうちの学校の子も何人かはハマってるみたい」
つまり私が第二図書館で見た光景もその営業だったってこと?