biker's love☆2人の風 another side-6
「すみません…私、実は4年だったりするんですよねー、あはは」
「「「えっ!」」」
みんながびっくりしてる。
ま、俺もそう思ったからな。
「そういえばそうでしたね」
って岡が言ってる。
だよな、コイツも知ってんじゃん。
「すいません、見かけによらず年くってて」
「いや、若く見られるのはいいことですよぉ」
一応フォローしてみる。
彼女はまた笑って、続けた。
「じゃあ、私から自己紹介しますね」
ってなことで桜さんを皮切りに、みんなで自己紹介をした。
メンバーは4年の桜さん。
3年は、黒いドラッグスター400に乗ってる和希ともう1人の女のコ、ホンダの赤いCB400に乗ってる吉川敦美(ヨシカワアツミ)、岡、そして、俺。
あとホンダのスティードに乗ってる2年生とカワサキのエストレアに乗ってる1年生の男の計7人だった。
俺は、マスターが最近買おうか迷ってるって言うバイクの話を聞いたり、写真を見せてもらったりしていた。
桜さんは和希や吉川と楽しそうに話をしている。
俺は席も遠くて、あまり話せななかった。
そして、時間も遅くなったので、解散となった。
「じゃ、またぁ」
桜さんは1人で歩いて行ってしまった。
ってこの辺街灯も少ないし、桜さん結構飲んでたし。
「俺、桜さん送るから、あと頼んだっ!」
和希にそう伝えると、走って、桜さんの方へ向かう。
ヨタヨタと歩いてる危なかしい桜さんがいた。
「桜さんっ!」
桜さんは振り返って、驚いた顔をしていた。
「送りますから」
俺はそう言って、横に並んだ。
「あ、そんなんいいのに…。」
2人で、暗い道を歩く。
週末に降った雪が、少し凍っている。
彼女の足取りはおぼつかない。
「きゃっ」
桜さんが足を滑らせた。